先日、『仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』を観てきました!

完成披露試写会でもSNSのファンの反応を見たり、ネタバレを少し読んでしまった時、
「ちょっと微妙なのかな…」
と思いつつ、今作を観た訳ですが…あくまで一個人の感想としましては、とても良い内容だったと言えます。

以下からはネタバレを含むため、まだ映画を観ていない方はスクロールしないことをオススメします。。。!

“火野映司”という男

 今作は、『“火野映司”という男の旅の終着点』ということも感じました。

火野映司という男は、手が届く範囲ならば自分がどうなろうとも手を伸ばす…そういう男だと前から思っていました。

そんな映司が800年前のオーズとの戦闘中、その場に居合わせた少女が殺されそうになっていたのなら、身を挺して少女を庇うはず。

だから、今作の映司の行動はとても納得がいくし、すんなり受け入れられました。

そしてゴーダ映司の発言が本当ならば、あのあと映司自身は少女の安否はわからないまま死んでしまった…かもしれません。

でも、物語の最後で少女が生きていたことがわかったのなら、ようやく今回は自分の手で少女を助けることができた…というのは、映司にとってとても幸せなことだと思うんです。

だから物語の最後で映司が死んだ時、映司は幸せなまま死ねたんだな…って。

映司にとっての“いつかの明日”

 そして、映司にとっての“いつかの明日”は、すなわち“アンクが復活する時”だったと思います。

身を挺して少女を庇い、命を落とすその時、映司の“アンクの復活”という欲望を叶えたいと望みました。

恐らく、自分の命と引き換えにアンクを蘇らせたんだと思います。

『オーズ』という作品には錬金術が切っても切れない内容になっています。

作中で重要なアイテム・コアメダルは錬金術により生み出されたとされている。

そして錬金術の基本は等価交換という話もあります
(これは『鋼の錬金術師』に引っ張られていはいますが、、、)。

映司はアンクを復活させる方法を探す旅を続ける中で、ひとつの答えに辿り着いたのかもしれません。

それは、誰かの命と引き換えにアンクを蘇らせることができるということ。

そうなった場合、映司だったら自分の命を犠牲にするような気がするんですよね。

テレビ版本編でも人間を捨ててグリードになろうとした映司ですから、自分の命を犠牲にすること自体に拒否反応はそこまでなかったと思うのです。

だとしたら、遅かれ早かれ映司は自分の命と引き換えにアンクを蘇らせようとしていた…そしてその時は800年前のオーズにやられた時に訪れた。

映司のアンクを蘇らせたいという計り知れない欲望がアンク復活につながった…と思うと、映司の欲望の深さを実感させられます。

死んだものを己の欲望で蘇らせる…というのは、確かに映司ぐらい多くの欲望を持っていないとできないよな、と。

10年前、自分たちの手で救った世界を救いたい

 先代オーズの支配により全世界の8割の人類が滅んでいる状況でも、映司は最後まで諦めなかった。

「10年前、自分たちの手で救った世界を再び救いたい」
その欲望は死んだあとも持ち続けていて、それがタジャドルエタニティという新たなコンボを誕生させたのかな、と思うと、そういった面からしても映司の欲望ってスゴいんだな、となりました。

そこ含めて、映司は“仮面ライダーオーズとしての人生を全うした”とも思いました。

上映時間1時間は短い!

 個人的に今回の結末は納得がいくものですが、とはいえ上映時間1時間は短い!というのが正直なところです。

もちろん色々な制約があるでしょうし、1時間という短い中でも良いものを届けたい!という想いは伝わってきたので、それに関しては本当感謝しかありません。

内容は駆け足だったし、描ききれていない部分がない…とは言い切れませんが、それでも随所随所にオーズ愛を感じることができましたし、そこに関してはとても満足できました。

今作と『MOVIE大戦MEGA MAX』との関係

 これに関してはあくまで個人的感想でしかないのですが、今作は『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦MEGA MAX』の前日譚と捉えることもできるかな?と思いました。

これはSNSでも色々な方が書かれていたのですが、今作を観た後にMOVIE大戦MEGA MAXを観ると、MOVIE大戦MEGA MAXに登場したアンクは今作を経たアンクが未来から来たようにしか思えなくて。。。

MOVIE大戦MEGA MAXが上映された当時、映画を観た時に
「なんで映司じゃなくてアンクが未来から来たんだろ?」
となってはいました。

映司がおじいちゃんになって戦えないから、代わりに現代に来たのかな?とも思ったのですが、『復活のコアメダル』を観たあとだと、映司は亡くなっているから、アンクが来るしかないよな…と。

MOVIE大戦MEGA MAXの劇中で映司に化けた時、アンクの姿に戻るのを躊躇っているような感じだったり、映司を執拗に助けようとしたり、映司がピンチになった時に声を荒げていたのは、『復活のコアメダル』で映司を亡くしたアンクだったから…と思うと全てが納得できて。

映司を亡くしたあと、比奈ちゃんからMOVIE大戦MEGA MAXの出来事を聞いたりしていたら、過去に戻って映司を助けなきゃ!となるのもわかるなぁ、と。

MOVIE大戦MEGA MAXのオーズパートの最後、背中越しに映司を見ているアンクの表情、とても温かくていいんですよね。

とても優しくて、それこそ大切な相棒とまた一緒に戦えたことを喜んでいるようで。。。

映司からなんで復活したのかについて聞かれた時に復活した理由を答えなかったのも、映司の命と引き換えに自分は復活した…なんてこと、映司には言えないよな、と。
(もし言ったら、それこそ映司だとすぐ行動に移しちゃいそうな気もしますし…)

そういうところ含めて、ある種『オーズ』の本当の最終回はMOVIE大戦MEGA MAXなのかな、と思うとそれはそれで面白いな、となりました。

まとめ

 端的ではありますが、『復活のコアメダル』を観た自分の感想でした。

10周年記念作品で、なおかつ当時のキャストが勢揃いしているんだから無難にハッピーエンドに終わらせる…という結末も良かったとは思いますが、今作は製作陣から『仮面ライダーオーズ』という作品をとてもとても大切に想っているというのがとてもとても伝わりましたし、だからこそ『オーズ』にとって最もそれらしい結末は何か?と思うと今回の結末は正しいと思います。

10周年という節目に、今作を届けてくださったことに対して、監督さん・脚本家さん・制作スタッフさん・出演者の皆さんには感謝しかありません!

『オーズ』という作品の完結編を、溢れんばかりの愛で届けてくださり本当にありがとうございました!

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